【マツダCX-3】試乗レポート～ガソリン・ディーゼル・4WD

国産コンパクトSUVの中でも、他車にはない個性を持っているマツダ・CX-3。

ハイブリッド車が主流の中でディーゼルエンジンがあるのはCX-3だけですし、今や貴重なマニュアル車を選べるのもポイントです。

最近のマツダ車らしい、スタイリッシュなデザインも魅力的ですね。

実際に乗ってみての評判は？　試乗した人やオーナーになった人の感想を見ていきましょう。

【マツダ・CX-3】試乗で見るべきポイント

ライバル車との比較〜外寸、取り回しなど〜

最初にマツダ・CX-3ってどんな車なのか、ライバル車とざっと比べてみましょう。

【マツダ・CX-3】

• 外寸（全長×全幅×全高）：4275×1765×1550mm
• 最小回転半径：5.3m
• 駆動方式：2WD（FF）、4WD
• パワーユニット：ディーゼル、ガソリン
• 変速機：オートマチック、6速マニュアル

【トヨタ・CH-R】

• 外寸（全長×全幅×全高）：4360×1795×1550〜1565mm
• 最小回転半径：5.2m
• 駆動方式：2WD（FF）、4WD
• パワーユニット：ハイブリッド、ガソリン
• 変速機：オートマチックのみ

【ホンダ・ヴェゼル】

• 外寸（全長×全幅×全高）：4330〜4340×1770〜1790×1605mm
• 最小回転半径：5.3m〜5.5m
• 駆動方式：2WD（FF）、4WD
• パワーユニット：ハイブリッド、ガソリン
• 変速機：オートマチックのみ

CX-3は一番外寸が小さく、狭い道での取り回しがラクそう。

とくに注目なのは、全高が1550mmに抑えられていること。

都市部の駐車スペースは悩みの種ですが、CX-3ならほとんどの立体駐車場に停められるのが嬉しいですね。

試乗した人もオーナーになった人も、コンパクトさを高く評価しています。

• 「CX-5から乗り換えたけど、狭い道でも心配がない」
• 「自宅車庫に1回の切り返しで入った。同じように試乗したヴェゼルは数回切り返しが必要だった」

北国で安心の4WD車も

さらにCX-3は、4WD車の外寸も2WD車と同じ。

他車では4WD車の方が少し大きくなる場合が多いのですが、CX-3なら4WD車でも立体駐車場に安心して停められます。

この4WDシステムは「i-ACTIV AWD」と呼ばれる、マツダ独自の電子制御4WD。

ドライバーが感じ取れないレベルの小さなスリップもリアルタイムで感知し、前輪と後輪のトルク配分を臨機応変に制御する、高度なメカニズムが搭載されています。

これによって雪道でもスリップを未然に防ぎ、安心して走ることができます。

• 「アイスバーンでも普通の道を走っているみたい」
• 「アクセルを踏み込むと4輪でしっかり走っている感じ」

など評判も良く、北国や高速道路を長く走るには絶対オススメです。

マイナーチェンジで魅力アップ

CX-3の登場は2015年ですが、2018年5月に登場以来最大のマイナーチェンジが行われました。

• 外装はフロントグリル、リアコンビランプ、ホイールなどを、より高級感あるデザインに。
• 内装は運転席まわりのデザイン変更をはじめ、電動パーキングブレーキ、センターアームレストなどを設置し、使い勝手の良さが向上。
• ディーゼルエンジンの排気量が5Lから1.8Lに上がり、低回転域から高回転域まで全域でパワフルに。
• ガソリンエンジン（0L）も設計の見直しや新技術の採用で、トルクや燃費が向上。
• 夜間の歩行者認識精度を向上させた「アドバンストSCBS」をマツダ車で初採用。

さらにドアパネルの鉄板やリアウィンドウのガラスが厚くなり、ドアを閉めた時の落ち着き感や、室内の静かさが向上。

シートには上級車種のCX-8にも使われている高減衰ウレタンが採用され、フィット感や疲れにくさも向上しているといいます。

こうした目に見えにくい部分まで改良されたことも、注目のポイントです。

【マツダ・CX-3】試乗評価は良い？悪い？

CX-3試乗の良い評価

走行性能

マツダ・CX-3の試乗の中でも、評価が良いのが走行性能。

とくにマツダ自慢の「スカイアクティブ・ディーゼル」の満足度は高いようです。

• 「ディーゼルなのによく回る。坂道の追い越しも余裕でできる」
• 「アクセルを少し踏むだけでパワフルな加速が得られる」
• 「エンジン音が静かで、オプションのBOSEオーディオを邪魔しない」

気になる燃費については高速道路で20km/L以上という声もあり、経済性も良さそうです。

ただしディーゼルエンジンの性格上、長距離を走らないとメリットが得られません。

CX-3はディーゼル車の新車価格がガソリン車より30万円ほど高いので、モトを取るには高速走行や遠出が多いといった使い方が前提。

街中のチョイ乗りがメインなら、ガソリンエンジンがベストです。

実際にオーナーの半分ぐらいがガソリン車を選んでおり「ディーゼルかと思うほどのトルクが低速からある」など、満足度は高いようです。

デザイン

もうひとつ、評価が良いのがデザイン。

• 「フロントは高級セダンのたたずまい、リアはSUVらしくどっしり踏ん張るイメージ」
• 「スタイリッシュなデザイン、流麗なラインに見惚れる」

など、オーナーになった人はとても惚れ込んでいますね。

実はCX-3はヨーロッパでとても人気があります。

ちょっと外国車っぽい雰囲気も、人気の秘密かもしれません。

デザインを際立たせるボディカラーは全部で8色。

イメージカラーの「ソウルレッドクリスタルメタリック」をはじめ、いずれも高級感あるメタリックやマイカ塗装です。

写真ではなかなか魅力は伝わらないと思うので、ぜひその目で実車を見てみてください。

CX-3試乗の悪い評価

マツダコネクト

不満の声が多いのが、「マツダコネクト」。

カーナビやインターネット、ハンズフリー電話などを統合したマツダ自慢のシステムですが…。

• 「立ち上がりが遅すぎ。時計がフリーズすることが多い」
• 「カーナビですれ違いができないような狭い道を案内された」

など、使い勝手や性能が疑問視されているようです。

ただしソフトウェアはアップデートでき、サポート体制もあるので、マツダのホームページをマメにチェックしたり、ディーラーに相談してみると良いでしょう。

後部座席とラゲッジスペース

あと、よく指摘されるのが後部座席とラゲッジスペースの狭さ。

これはコンパクトSUVという性格上、仕方のないことですね。

「夫婦２人で乗るから問題ない」など、割り切っているので不満はないという声も多いです。

一方で「180cmの自分が運転して、後部座席に165cmの妻が座っても文句を言われない」という声も。

広く感じるか狭く感じるかは、主観的なものが大きいのかもしれません。

やはりディーラーに足を運んでCX-3の実車を見て、触れて、試乗してみましょう。

車選びは長く付き合うパートナー選びですから、トコトン納得して決めたいものです。

また、乗るシーンをハッキリさせることも大切です。

メインは長距離かチョイ乗りか、高速道路や山道、雪道を走る機会は多いのかなど…。

乗り方によって2WDか4WD、ガソリンかディーゼルのどちらを選ぶかが決まってきます。

せっかくのメリットである高性能も、乗り方に合っていなければ宝の持ち腐れ。

最悪の場合はデメリットになりかねません。

あくまでも「主役は運転する自分」ということを忘れずに。

【マツダ・CX-3】試乗レポートまとめ

以上、マツダ・CX-3の試乗評価を見てきました。

エンジンや安全装備などの基本性能は上級グレードもベーシックグレードも大きく変わりませんので、好みや予算に応じて選びましょう。

あと、ぜひ検討したいのがマニュアル車。

CX-3はほとんどのグレード（ガソリン車の4WD車をのぞく）で、6速マニュアル車を選べます。

今どきの国産車で、スポーツカーでもないのにマニュアル車がラインナップされていること自体、奇跡的。

ストロークの短いシフトレバーをスコッ、スコッと操りながら思いのままに車をコントロールする楽しさは、オートマチックでは味わえません。

マツダは「Be a driver」や「人車一体」をスローガンに掲げる、運転して楽しい車づくりが得意なメーカー。

コスモスポーツ（1967年〜1972年）、RX-7（1978年〜2002年）、ロードスター（1989年〜）といった、歴史に残るスポーツカーも送り出してきました。

そんなDNAは、CX-3にもシッカリ受け継がれています。

他の国産SUVでは絶対に味わえない「マニュアル＋ディーゼル」という組み合わせが、一番CX-3らしい楽しみ方かもしれませんね。